この本では、AIの本質が自動化である以上、ただの努力には価値がなくなっていくという視点で書かれています。
とはいえ、AIによってすべての努力が無価値になるわけではありません。
これから私たちが価値を出せるのはどこなのか。著者はその答えの1つがメタスキルだと語っています。
これまでは努力→スキル獲得→成果・評価でしたが、これからは努力→メタスキル+AI活用→成果・評価といった時代になっていくと語っています。
メタスキルとは何か
ではそもそもメタスキルとは何でしょう。ここでは5種類のメタスキルを紹介しています。
- 構造化:不確実を確実に変換する
- ゲームをずらす:勝てる土俵を自分で選ぶ
- 自分モジュール化:自分の強みをAIと分業する
- 問いの言語化:AIから最大値を引き出す
- AIチーム化:組織の知見を蓄積する
メタスキルについては様々な定義がありますが、構造をつかむ力、そのうえでゲームをずらす力、そのためのAIの使い方について解説されています。
「明日突然農家に転職しても役立つか」
ここで著者の面白いキーワードを引用します。
「明日からまったく違う職業に転職しても役立つ汎用知にベットせよ」です。
急に言われてもって感じなので、具体例を出していきます。
「明日突然農家に転職しても役立つか」
- 農場のレイアウトを効率的に設計する
- 収穫サイクルを最適化する
- 複雑な作業工程をシンプルに整理する
こういったことはすべて「構造化する力」の応用です。エンジニアが設計に使う思考と本質的に変わりません。こういった力は職種も時代も選びません。
ここでは1つ目の構造化について詳しく解説します。残りの4種類に関して気になる方は、ぜひ本を手に取ってみてください。
構造化:「不確実」は「構造」の問題である
ここで、なぜ著者がここまで「構造」を重要視しているのか、面白い話があるので話します。
著者は「死なない」構造の重要性についてこう語っています。
「負けない」ではなくて「死なない」という言葉を使っているのは、「死」が人生において唯一不可逆な事態だからです。
これをゲームの世界に例えるとわかりやすいです。スコアで負けることは次の対戦への糧になります。ですがキャラクターそのものが消滅してしまえば、再挑戦すらできません。
人生に当てはめると
さらに具体的なことについて話しましょう。
例えば35年ローンで家を買う。あるいは十分な勝算もないまま安定した仕事をやめて勝負に出る。こういったことは自分の人生に大きな不確実性を背負いこみやすいため、かなり慎重に扱うべきです。
僕の話でいうと、学生起業で成功する保証がないまま就活をしないというのは、当たり前ですが死に直結する可能性があります。
だから僕は、公認会計士試験に挑戦して、監査法人に就活できるようにしています。事業がうまくいくかは分からなくても、再挑戦できる道を残しておくことはできます。
ここでこの問題を解決させるAIプロンプトはこの本に書いてあるので、是非読んでみてください。
具体的な行動は3つ
ここまで読んでいて、そろそろ具体的なことを教えてくれって思っている方も多いと思うので、具体的な行動に関して話します。
- 確実なものと不確実なものを分ける
- 不確実なものをコントロール可能なものと不可能なものに分ける
- まずはコントロール可能な不確実性から減らしていく
例えば毎回グダグダになる会議があるなら、毎週月曜日の午前、この形式、このテンプレートで行うといったように固定するだけで、だいぶ動きやすくなります。
この地道な積み重ねが、仕事でも人生でも「死なない」構造を作る確実な道になります。
僕の場合:SCENARIO RIDE のデータ規約
僕がこれを一番実感したのは、自分で作っている株の分析サービス SCENARIO RIDE です。
使っていたデータの規約を、あいまいなまま進めていました。そこで、規約に書かれていること(確実なもの)と自分の解釈(不確実なもの)を分けて調べ直しました。
規約は変えられませんが、自分のサービスの作りは変えられます。有料プランをいったん止めて、公開されている決算データで作り直しました。
一番すっきりした言葉
個人的にめっちゃすっきりした言葉は、構造化とは特別なひらめきではなく、分からないものを分からないままにしない習慣ということです。