
AIを使っていると「なんかうまく答えが返ってこない」と感じる瞬間がある。
この本を読んで、その原因がはっきりわかった。プロンプトの質が、回答の質をそのまま決めている。AIの問題ではなく、聞き方の問題だった。
この本の要約
著者の石井力重氏は、AIを「考えるための道具」として使いこなす56の技法を体系化している。単なるChatGPTの使い方本ではなく、「思考をどう深めるか」に焦点を当てた一冊だ。
① AIは「答えを出す機械」ではなく「壁打ち相手」
多くの人がAIに「答えを出してもらおう」と使っている。でも本書の主張はちがう。AIの真価は自分の思考を整理・深化させるパートナーとして使うことにある。
壁打ち相手として使うとは、こういうことだ。
- 「この考え方の弱点を教えて」と問いかける
- 「反論してみて」と指示して自分の論理を試す
- 「別の視点から見るとどうなる?」で視野を広げる
自分の考えをAIにぶつけることで、一人では気づけなかった穴や可能性が見えてくる。
② プロンプトの構造が思考の深さを決める
本書では、良いプロンプトの条件として「目的・文脈・制約」の3点セットを挙げている。
- 目的:何を達成したいのか
- 文脈:背景・状況・前提条件
- 制約:字数・形式・避けてほしいこと
「要約して」だけでは薄い答えしか返ってこない。「〇〇の文脈で、初心者向けに300字で要約して」と聞けば、使える答えが返ってくる。
③ 発想を広げる技法
本書の核心は「56の技法」にある。主なものを分類すると:
- 発散系:ブレインストーミング、反転発想、類推思考をAIで加速させる
- 収束系:アイデアを絞り込む・優先順位をつける・構造化する
- 深化系:なぜを繰り返す・前提を疑う・別の立場から見る
- 壁打ち系:批判させる・弱点を探させる・代替案を出させる
「AIにアイデアを出させる」ではなく、「AIと一緒に考える」という発想の転換が本書の一貫したメッセージだ。
読んで一番刺さったこと
自分が特に感じたのは、壁打ち相手としての使い方が一番効果的という点だ。
事業(BANSOU・SCENARIO RIDE)を進める中で、一人で考えているとどうしても視野が狭くなる。「これで合ってるのか?」と迷ったとき、AIに「この戦略の弱点を3つ挙げて」と問いかけると、自分では気づいていなかった視点が返ってくることがある。
人間の壁打ち相手は時間と場所を選ぶが、AIは24時間・即レスだ。使わない理由がない。
そしてこの本を読んで改めて思ったのは、プロンプトは「質問力」だということ。何を聞くかで返ってくるものが全然変わる。これは「解像度を上げる」で学んだ「伝え方の解像度」と直結している。


