「投資を始めたいけど、お金もないし怖い」——数年前の自分がそうでした。
この記事は、資金ゼロに近い21歳が、SBI証券で投資デビューしてから、個別株 → オルカン → 高配当 → そして全部売って事業に回すまでの、リアルな遍歴の記録です。かっこいい成功譚ではありません。むしろ迷って、ビビって、売って、を繰り返した記録です。同じように少額から始めようとしている人の参考になればと思います。
この記事のまとめ(投資遍歴の全体像)
| 時期 | やったこと | 学び |
| ①デビュー | SBI証券のS株で個別株を1株ずつ | 少額でも値動きにビビった |
| ②分散 | オルカン(全世界株) | 入金力不足で売却 |
| ③米国集中 | 米国高配当ETF(SPYD・JEPI等) | ドル配当の円転が面倒 |
| ④国内高配当 | 1489・1343・各国の高配当ファンド | 円で完結してラク |
| ⑤全売却 | 約3.5万円を事業へ | 今は入金力を上げる時期 |
| 番外編 | 暗号資産・NFTに約1万円 | 1年で-32%・ババ抜きに見えた |
第1章:投資デビューは「1株ずつ」だった
最初に使ったのはSBI証券のS株(単元未満株)。通常、株は100株単位でしか買えず、大手だと数十万円が必要です。でもS株なら1株から買える。資金のなかった自分にとって、これが投資の入り口でした。
買ったのは、誰もが知る大手上場企業。ソフトバンクや東京海上日動などを、1株ずつ。金額にすれば数千円です。
ところが、ここで自分の弱さを知ります。たった1株、日々1%くらいの値動きでも、心臓がドキドキしてビビっていたんです。数百円の含み損で「うわ、下がってる」と一喜一憂する。金額は小さいのに、感情は大きく揺れる。投資のメンタル面の難しさを、いきなり体感しました。
第2章:「個別株は違う」と感じてオルカンへ
個別株で毎日ビビっている自分に気づいて、「これは自分には合っていないかもしれない」と思いました。1社の株価を追いかけて一喜一憂するより、もっと分散されたものに乗りたいと。
そこで次に買ったのがオルカン(全世界株)。2万円くらいから、少しずつ買い始めました。全世界に分散されているので、個別株ほど値動きに神経をすり減らさなくて済む。「これなら続けられそう」と感じました。
第3章:入金力がなさすぎて、売ってしまった
ところが、ここでも壁にぶつかります。入金力(毎月投資に回せる金額)が、なさすぎたんです。
学生でバイト収入の自分は、毎月まとまった額を積み立てる余裕がありませんでした。少額だと、当然リターンも小さい。オルカンが少し利益が出たところで、結局売ってしまいました。
ここで痛感したのが、「入金力がないと、投資はそもそも続かない・意味が薄い」という現実です。金額が小さいと、増えても実感がないし、少しの利益で売りたくなる。投資の知識やテクニック以前に、元手を増やす力そのものが足りていないと気づきました。
第4章:米国の高配当ETFに集中した
オルカンの次に行き着いたのが、米国の高配当ETFでした。分配金がもらえるのが好きだったのと、「どうせ分散するなら、世界経済の中心であるアメリカに寄せよう」と考えたからです。
自分なりに、株・不動産・債券の3つの資産クラスに分けてETFを選びました。
| 資産クラス | 選んだETF |
| 株(高配当) | SPYD・JEPI・JEPQ |
| 不動産(REIT) | SRET など |
| 債券 | TLT・BND |
なぜ「アメリカ集中」だったのか
オルカンで全世界に分散していた自分が、あえて米国に寄せたのには理由があります。「アメリカが倒れたら、そもそも世界経済ごと壊れる」と感じたからです。
世界経済におけるアメリカの立ち位置は、他の国とは重みが違います。基軸通貨のドル、世界を動かすIT企業、金融の中心。もしアメリカが本当に崩れるような事態なら、全世界に分散していても無傷ではいられない。だったら、最も強い国に集中したほうがいい——そう考えて、株・REIT・債券のすべてを米国ETFで組みました。
そして、やっぱり「分配金」が好きだった
米国高配当ETFを選んだもう一つの理由が、やはり分配金です。含み益だと使わないけれど、分配金なら確定したお金が入ってくる。少しでも「豊かになった実感」がほしかった自分には、これが合っていました。
第5章:「ドルを円に換えるのが面倒」で、国内の高配当へ
米国高配当ETFにも、続けるうちに引っかかる点が出てきました。配当金がドル建てで入ってくることです。
SPYDやJEPIから分配金が出るのは嬉しい。でもそれはドルなので、日本で使うには円に換える必要がある。この円転(ドル→円の両替)がとにかく面倒で、為替も気にしないといけない。「分配金が好きで高配当を選んだのに、そのお金を使うのにひと手間かかるなら本末転倒だな」と感じ、米国ETFからは離れることにしました。
そこで行き着いたのが、「国 × 何に投資するか」で整理するという考え方です。ざっくり、こう分けました。
| 国 × 資産 | 選ぶもの(例) |
| 日本 × 株 | 1489(日本高配当株ETF) |
| 日本 × 不動産 | 1343(東証REIT指数ETF) |
円で分配金が受け取れて、円転の手間もない。日本のものなら値動きや制度も理解しやすい。実際にNISA(成長投資枠)では、日本・米国・欧州それぞれの高配当ファンド(投資信託)を組み合わせて持っていました。
第6章:そして、全部売って事業へ
ところが、ここでまた第3章と同じ壁——入金力にぶつかります。結局、これらの高配当ファンドも含めて持っていた投資をすべて売りました。記録上は、日本・米国・欧州の高配当ファンド3本を合わせて約3万5,000円分を解約しています。
そのお金を、このブログのドメインやサービス開発など、事業の資金に回しました。「少額の投資を守るより、今は事業に投じて入金力を上げるほうがいい」という判断です。
今、たどり着いた「2つの手法」
個別株、オルカン、米国ETF……と迷走してきましたが、この遍歴を経て、自分の投資スタイルは2つの手法にはっきり固まりました。役割を分けて考えています。
| 枠 | 目的 | 中身 |
| コア(土台) | インカムゲイン重視 | 米国・欧州・日本の高配当株投資信託+1343(REIT指数)の積み立て |
| サテライト(挑戦) | キャピタルゲイン狙い | 日本株の中長期セクター集中投資 |
コアは、インカムゲイン(分配金)重視。米国・欧州・日本の高配当株投資信託と1343(REIT指数)を積み立て、円で分配金を受け取り、精神的にラクに続けられる土台をつくる。
サテライトは、キャピタルゲイン(値上がり益)を狙うチャレンジ枠。日本株の中長期セクター集中投資で、大きなリターンを取りにいく。この2つを分けることで、「安定して続けられる部分」と「リターンを攻める部分」を両立させる形に落ち着きました。
もっとも、これらを本格的に回すには元手が要ります。だから今は、投資そのものより事業で入金力を上げることが最優先。積み立てていた高配当ファンドを売って事業に回したのも、この結論があったからです。種銭が育ったら、この2つの手法で本格的に投資を再開します。円で完結して手間がなく、自分が一番ストレスなく続けられる形に、ようやく落ち着きました。
この判断の詳しい理由は別記事に書いていますが、根っこにあるのは第3章で痛感した「今は投資より、入金力を上げるフェーズだ」という結論でした。
番外編:暗号資産とNFTにも手を出した。でも「ババ抜き」に見えた
ここまで株や投資信託の話をしてきましたが、実は暗号資産(仮想通貨)とNFTにも手を出しています。合計で1万円ほど。せっかくなので、その結果も正直に書きます。
買ったのは、BTC・ETHといった主要どころから、XRP・ADA・SOL・LINK・BNB・ARB・ATOM・SUI・MATICなど、かなりの数のアルトコインをバラバラに少額ずつ。さらにMetaMaskでETHのステーキング、NFT(Kitaro)まで、ひととおり体験してみました。
結果は……1年で約マイナス32%。正直に言うと、負けています。
やってみて見えた「ババ抜き」の構造
実際に触ってみて一番感じたのは、「多くの暗号資産は、“次に買ってくれる人がいるか”を賭けるババ抜きに見える」ということでした。
レンディングやステーキングで利回りが得られるものもあります。でも、その通貨自体の価値がどこから来るのかが分からないものが多い。株なら企業の利益、不動産なら家賃という裏付けがありますが、多くのアルトコインには「みんなが値上がりを期待しているから上がる」以上の根拠が見えませんでした。値上がりを期待する人が途切れた瞬間に終わる——そういう危うさを感じたんです。
ただし、全部がそうだとは思っていません。ETHのように用途のあるスマートコントラクト系や、送金に特化したXRPなど、明確なユースケースがあるものは、ババ抜きとは別物だと考えています。
今のスタンス:期待半分、傍観半分
もともと自分は、暗号資産にはどちらかというと期待側でした。これからの技術だと思っていたし、今もその可能性は否定しません。
でも実際に1万円を投じてみた結論は、「期待半分、傍観していたい半分」。これからの暗号資産には、期待と不安が入り混じっています。だから今は、大きく賭けるのではなく、少し持ったまま冷静に見ていく——整理していく方向に落ち着きました。分配金のような裏付けのあるインカムが好きな自分の投資スタイルとは、正直あまり噛み合わなかった、というのもあります。
投資遍歴を通じて分かったこと
個別株 → オルカン → 高配当 → 全部売却。振り返ると迷走に見えるかもしれませんが、この遍歴で確信したことがあります。
- 少額の投資は、値動きに一喜一憂して続かない。メンタルが持たない
- 入金力がすべて。月に回せる金額が小さいと、どんな商品を選んでも結果は小さい
- だから今の自分は、投資でリターンを狙うより事業で稼ぐ力を上げることを優先する
- ただし「1株から始めた」経験自体は無駄ではない。自分がどれだけ値動きにビビるかを、少額で知れたのは大きな学びだった
これから投資を始める人へ
もし今、資金がなくて投資に踏み出せずにいるなら、SBI証券のS株で1株だけ買ってみるのは、いい第一歩だと思います。数千円でいい。目的は儲けることではなく、「自分が値動きにどう反応するか」を体験することです。
そして、もし自分と同じように「入金力が足りない」と感じたら、それは大事な気づきです。投資のテクニックを学ぶ前に、稼ぐ力を上げることに目を向けるサインかもしれません。自分はその結論にたどり着いて、今は事業に全力を注いでいます。
よくある質問
Q. 投資は何から始めればいいですか?
資金が少ないなら、SBI証券のS株(単元未満株)で大手企業を1株だけ買ってみるのがおすすめです。目的は儲けることではなく、自分が値動きにどう反応するかを少額で体験することです。
Q. 少額投資は意味ないですか?
リターン自体は小さいですが「自分の投資への向き合い方を知る」意味は大きいです。ただし本気で資産を増やしたいなら、投資のテクニックより先に、事業やスキルで入金力(毎月投資に回せる額)を上げることが近道だと感じました。
Q. 暗号資産はやめたほうがいいですか?
自分は約1万円で複数の暗号資産・NFTを試し、1年で約-32%でした。用途のあるもの(ETHなどスマートコントラクト系、送金特化のXRP)以外は「次に買う人がいるかのババ抜き」に見え、今は期待半分・傍観半分のスタンスです。あくまで個人の感想です。