チャールズ・エリスの「敗者のゲーム」は、1975年に発表されて以来、投資の世界でバイブル扱いされている一冊です。初版から半世紀近く経った今も版を重ね続けているのは、書かれている本質が変わっていないからです。
この記事では、本書のエッセンスを凝縮してお伝えします。「投資をどう始めればいいかわからない」「個別株とインデックスどっちがいいの?」という疑問への答えが、ここにあります。
敗者のゲーム(チャールズ・エリス著)→ Amazon
この本が言いたいこと、一言で
「投資家のほとんどは、何もしないことで勝てる」
これだけです。でもこれが、実行するのがいちばん難しい。
「敗者のゲーム」とはなにか
タイトルの「敗者のゲーム」は、テニスのアマチュアと競技者の違いから来ています。
- プロのテニス:相手が打てないコースに打ち込んで「勝者が勝つゲーム」
- アマチュアのテニス:ミスをしない方が勝つ「敗者のゲーム」
投資もまったく同じだ、とエリスは言います。プロが支配する市場では、個人投資家は「打ち勝つ」ことを目指すのではなく、「負けないこと」を目指すべきだ、と。
なぜプロでも市場に勝てないのか
衝撃的なデータがあります。
S&P500などの指数に、長期で勝ち続けられるプロのファンドは10〜20%以下しか存在しません。しかも「今年勝ったファンド」が「来年も勝つ」とは限らない。
なぜか。市場の参加者のほとんどがプロになったからです。1950年代、株式市場の個人投資家の比率は約90%。今や機関投資家が90%以上を占めています。
「市場を"打ち負かす"ことは、他のすべてのプロを出し抜くことを意味する。これは構造的にほとんど不可能だ。」
コストも大問題です。アクティブファンドは平均1〜2%の信託報酬がかかります。30年間、年1.5%の差があると、複利の力で最終資産に30〜40%の差が生まれます。


