「解く前に、何を解くかを決めろ」——この一言に尽きる本です。
コンサルや外資系で働く人が必読書として挙げることが多い一冊ですが、起業を考えている人や事業を立ち上げている人にも刺さります。「頑張っているのに成果が出ない」の原因が「解くべき問題を間違えている」ことにある、というメッセージは普遍的です。
イシューとは何か
「イシュー」とは「今本当に答えを出すべき問い」のこと。
本書では、世の中に存在する問題のほとんどは「実はそこまで重要ではない」と言います。本当に重要なイシューは全体の1〜3%程度しかなく、残りは解いても成果に直結しない。だから最初に「何を解くか」を絞り込まないと、無駄な努力ばかりになる。
BANSOUで営業を始めたとき、最初は「アポ数を増やすこと」だけを考えていました。でもこれは本当のイシューではなかった。本当のイシューは「アポ後の成約率を上げること」だったり「そもそもどの業種に絞るか」だったりする。問いを間違えると、どれだけ努力しても成果に結びつかない。
「犬の道」に入るな
本書で印象的なのが「犬の道」という概念です。やみくもに作業量を増やして解決しようとするアプローチを指します。
分析量・作業量を増やせばいずれ答えにたどり着くかもしれないが、それは非常に非効率。イシューを正しく設定してから動く方が、圧倒的に少ない努力で大きな成果が出る。
エフォートレス思考と合わせて読むと「何を解くか(イシュー)× どうやるか(エフォートレス)」という思考の組み合わせが完成します。
改訂版で何が変わったか
今回の改訂版では、図版の刷新やAI時代における思考法の位置づけについて加筆されています。ChatGPTなどのAIが情報収集や分析を担える時代に、人間がより重要になるのは「何を解くか」を決める力——まさにイシュー設定の重要性が増している、という視点が加わっています。
読むべき人
- ✅ コンサル・外資・IT業界を目指している人
- ✅ 努力しているのに成果が出ないと感じている人
- ✅ 事業の課題解決や意思決定を担っている人
- ✅ ロジカルシンキングを体系的に学びたい人
まとめ
「何をどう解くか」ではなく「何を解くか」から始めよ——この考え方を知っているかどうかで、仕事の質が根本から変わります。
読み終わった後、自分がやっていることの「イシューは何か」を考えるクセがつきます。ビジネス書の中でも特に再読価値が高い一冊です。
「解く前に、解くべき問いを選ぶ」という発想
本書の核心は、努力の前に「そもそも何を解くべきか(イシュー)」を見極めろ、という一点です。
安宅さんが示すのは〈バリューのある仕事 = イシュー度 × 解の質〉という考え方。多くの人は「解の質」ばかり上げようとするけれど、イシュー度(本当に答えを出すべき問いか)が低ければ、どれだけ丁寧に解いても価値は出ない。労働量で殴る「犬の道」を通るな、という警告が刺さります。
イシューを見極める・ストーリーで組み立てる
後半は実践編で、良いイシューの条件(本質的・深い仮説がある・答えを出せる)や、答えを「ストーリーライン」と「絵コンテ」で組み立てる手順が具体的に語られます。ブログの記事構成やサービスの機能を考えるときも、「これは本当に解くべき問いか?」と一度止まるクセがつきました。
こんな人におすすめ/逆に向かない人
おすすめ:やることは多いのに成果が出ない人、資料や分析で「作業」に逃げがちな人、企画・研究・事業づくりをする人。
向かないかも:手を動かす前に考えすぎて動けない人には逆効果になることも。その場合は「小さく試す」系の本と併読するのがおすすめです。
よくある質問
イシューからはじめよは難しいと聞きますが、初心者でも読めますか?
抽象度は高めですが例が豊富で読み通せます。1回で全部理解しようとせず、「イシュー度×解の質」の一点だけ持ち帰るつもりで読むと入りやすいです。
初版と改訂版どちらを読めばいいですか?
これから読むなら改訂版がおすすめです。図版が見やすくなり、AI時代の文脈での補足も追加されています。
仕事以外にも使えますか?
使えます。勉強・就活・副業でも「今やるべき一番の問いは何か」を選ぶ考え方は共通です。時間が限られている人ほど効きます。
ロジカルシンキングの本と何が違いますか?
ロジカルシンキングが「どう解くか(解の質)」なら、本書は「何を解くか(イシュー度)」に寄っています。解く前の問い選びに焦点がある点が特徴です。