
人生は約4000週間。80年生きるとして、それだけしかない。この事実から始まるこの本は、「もっと効率よく時間を使う方法」ではなく、「なぜ私たちは時間に追われるのか」の哲学書です。
著者のオリバー・バークマンはガーディアン紙のコラムニストで、長年生産性向上のハウツーを研究してきた人物。しかしある時点で「生産性を上げることがゴールではない」と気づいたと言います。
この本が言いたいこと
「全部こなそうとするのをやめろ」。これが本書の核心です。
タスクを増やすほど「やるべきこと」も増える。効率化すればするほど、こなすべきタスクが湧いてくる。この「効率化の罠」から抜け出すには、「何をやらないか」を先に決めることが必要だということ。
「エッセンシャル思考」と似ているようで違う
『エッセンシャル思考』も「重要なことだけをやれ」という本ですが、あちらは「どうやって絞り込むか」の実践書。この本はより哲学的で、「なぜ絞り込めないのか」「有限性を受け入れることの重要性」を掘り下げています。
両方読むと補完的でいいと思いますが、どちらか一冊なら自分はエッセンシャル思考の方が実践的だと感じました。
21歳が読んで感じたこと
BANSOU・REProduct・REbridgeと複数の事業を並行しながら、NISAの積み立て・会計士試験の勉強・ブログ執筆もやっている自分には刺さりました。
全部やろうとしていた。でもこの本を読んで、「今の自分にとって最も重要な1つを選べ」という問いに向き合えました。結論としてBANSOUを最優先にしたのも、この本の影響があります。
自分の人生で、良い意味で捨てるべきものは何か
本書を読んで最も考えさせられたのは、「自分の人生で、良い意味で捨てるべきものは何だろう」という問いです。
何かを捨てるという言葉には、諦めや失敗のような否定的な印象があります。しかし、時間が有限である以上、すべてを持ち続けることはできません。一つを選ぶことは、それ以外の可能性を選ばないことでもあります。だからこそ、自分にとって本当に重要なものを守るために、意識して手放すことが必要になります。
捨てることは、人生を小さくすることではない
やりたいことを減らすと、可能性まで狭くなるように感じます。けれど実際には、あれもこれも同時に追うことで、どれにも十分な時間を使えず、結果として何も深まらないことがあります。
良い意味で捨てるとは、可能性を否定することではなく、今の自分が選んだことへ時間を渡すことだと思います。「いつかやるかもしれないこと」を抱え続けるより、「今はやらない」と決めることで、目の前の仕事や人間関係に集中できます。
何を手放すべきかを考える5つの問い
- それは本当に自分が望んでいることか:周囲から評価されるためだけに続けていないか
- 今やる必要があるか:大切でも、今でなくてよいことではないか
- 続けることで何を失っているか:時間、集中力、睡眠、大切な人との時間を削っていないか
- やめるのが怖いだけではないか:ここまで費やした時間を惜しんで続けていないか
- 残したい一つは何か:ほかを諦めてでも時間を使いたいことは何か
この問いにすぐ答えが出るとは限りません。自分も、事業、勉強、投資、ブログなど複数のことに取り組んでいるからこそ、何を残し何を手放すかは簡単に決められません。それでも、「全部できる方法」を探し続けるのではなく、「何を選ばないか」を考えるきっかけになったことに、本書を読んだ価値がありました。
限られた4000週間の中で、自分は何に時間を使いたいのか。そのために、良い意味で何を捨てるべきなのか。







