
お笑い芸人でIT企業役員でもある厚切りジェイソンが書いた、お金の増やし方の本です。「コレだけやれば貯まる!」という、極限までシンプルな結論が魅力です。
結論:徹底的に節約して、米国株インデックスに入れる
この本のメッセージは驚くほどシンプルです。支出を徹底的に削り、浮いたお金を米国株のインデックスファンドに入れて、ずっと持ち続ける。それだけ。
ジェイソンの節約は徹底していて、人によっては極端に感じるレベル。でも「お金を増やす一番の近道は、稼ぐより支出を減らすこと」という指摘は、資産形成の初期段階では本質的に正しいです。
投資への抵抗感が減った人の「次の一冊」
この本が特に役立つのは、「投資は怖いもの」という抵抗感が少し減り、実際に何へ、どのように投資すればよいのかを知りたくなった段階だと感じました。
初心者向けの本には、お金の考え方や投資の必要性を説明するところで終わるものもあります。本書はそこから一歩進み、支出を見直して投資資金をつくり、米国株式市場へ広く分散するインデックス商品を長期で持つ、という行動までシンプルにつなげています。
個別株を何社も調べたり、相場の上げ下げを予想したりする方法ではありません。何をすればよいかが明確なので、投資の必要性は理解したものの、最初の商品選びで止まっている人に向いています。
「投資をしたほうがよいのは分かった。でも、実際に何へどう投資すればよいのか分からない」という、知識と行動の間にある迷いを小さくしてくれます。
他の投資本よりも「超分散」を重視している
特に面白いと感じたのは、米国株をすすめるだけでなく、できるだけ多くの企業へまとめて投資する超分散の考え方です。
米国株のインデックス投資というと、代表的な大型企業を集めた指数を思い浮かべる人が多いと思います。一方、本書の考え方は、一部の有名企業を選ぶよりも、米国市場全体へ幅広く投資することを重視しています。
なぜ広く分散するのか
- 次に成長する企業を予想しなくてよい:現在の有名企業だけに賭けず、新しく伸びる企業も取り込める
- 一社の失敗による影響を小さくできる:個別企業の業績や不祥事に資産全体を左右されにくい
- 判断をシンプルにできる:銘柄を頻繁に入れ替えず、市場全体の成長を長期で待てる
分散しても市場全体が下落すれば資産は減るため、元本が保証されるわけではありません。それでも、「どの会社が勝つか」を当てるのではなく、「将来の勝者も含む市場全体を持つ」という発想は、初心者が長く続けるうえで合理的だと感じました。
投資信託とETFは同じではない
米国市場へ幅広く投資する方法には、投資信託やETFなどがあります。どちらも複数の企業へまとめて投資できますが、購入方法、価格の決まり方、手数料、最低購入金額などは異なります。
本書の具体例をそのまま買うのではなく、自分が利用する証券会社やNISA、積立のしやすさを確認して、同じような分散方針を持つ商品の中から選ぶことが重要です。
シンプルだから実行しやすく、続けやすい
この本の強みは、複雑な投資法を知らなくても行動できることです。支出を減らす、余剰資金を積み立てる、広く分散する、長く持つ。やることが少ないからこそ、相場が動くたびに方法を変えずに済みます。
投資では、知識を増やし続けることより、理解できる方法を長く継続するほうが重要な場面があります。とにかくシンプルであることが、投資初心者にとってこの本の最大の価値だと思います。







