「もっと稼がなきゃ」「止まったら終わり」。そう思わせてくるのは、本当に自分の意志なんでしょうか。この本を一言でいうと「資本主義に毒されないための本」です。お金の増やし方ではなく、お金に振り回されない生き方の話をしています。
この本の主張は「資本主義に毒されないために」
お金の本のほとんどは「どう増やすか」を書いています。この本はそこから一歩引いて、「なぜ私たちはこんなに追い立てられているのか」を問います。歴史を学ぶ会社COTENの深井龍之介氏が推薦・解説に入っています。
大事なのは、著者が資本主義を否定していないことです。否定したところで、自分は明日もこの仕組みの中で働くしかない。そのうえで「すり減らずに生きるにはどうするか」を考える。批判の本ではなく、距離の取り方の本です。
「責任感がある人ほど休めない」という指摘
一番刺さったのは、会社員として責任感がある人ほど仕事を抱え込んでしまい、ずっと休みが取れないという話でした。
普通に考えると逆な気がします。サボりたい人が休めなくて苦しむのではなく、真面目な人ほど休めない。「自分が抜けたら回らない」「途中で投げ出すのは無責任だ」という、本人の良いところがそのまま逃げ場を塞いでいく。
そしてこれは、本人の性格の問題として片づけられがちです。「あの人は抱え込む性格だから」で終わる。でもこの本の見方だと、それは個人の性格ではなく仕組みの側の問題です。止まらないことを前提に設計された仕組みの中にいれば、真面目な人から順に消耗していく。
「資本主義に毒されている」とはどういう状態か
読みながら、自分に当てはまるものを書き出してみました。
- 休むことに罪悪感がある(何もしていない時間を「無駄」だと感じる)
- 他人と収入や資産をつい比べてしまう
- 成果が出ていないと、自分に価値がないように感じる
3つとも当てはまりました。21歳で投資と事業をやっていると、数字が出ない時期は自分の存在そのものがダメみたいな気分になります。その感覚を「自分のメンタルが弱いから」で処理していたのが、この本を読むと「そう感じるように環境ができている」という読み方に変わります。
ここが救いになるかどうかは人によると思います。ただ自分は、原因を自分の内側だけに探すのをやめられた分、楽になりました。
お金をかけずに楽しめるものを持っておく
読んで一番行動が変わったのはここです。お金がなくても楽しめるものを持っているかどうかが、実はかなり効くと気づきました。
お金がかかる楽しみしか持っていないと、楽しむために稼ぎ続けるしかありません。稼ぐために働き、働くために休めず、休めないから高い息抜きに逃げる。ループから出られなくなります。
逆に、お金がかからない楽しみを持っていると「これ以上稼がなくても今日は成立する」という状態を自分で作れる。それは我慢ではなく、選択肢が増えるという話です。
自分がやっているのはこの3つです。
- 散歩・ランニング(外に出ると数字のことを一旦忘れられる)
- 読書。図書館を使えば費用ゼロで、そのまま記事のネタにもなる
- 筋トレ・運動。結果がすぐ返ってくるので、事業のように長く待たなくていい
どれも派手ではないですが、「お金が減っている時期でも取り上げられない楽しみ」を持っているのは、想像以上に精神的な保険になっています。







