この記事は、資産形成を始めたいけど何から手をつければいいかわからない人・「まず投資」と言われたが本当にそれでいいのか迷っている人に向けて書いています。
資産形成の本はたくさんある。でもほとんどは「どう投資するか」を教えるものだ。「今の自分の資産額なら、何を優先すべきか」——この問いに正面から答えてくれるのが『THE WEALTH LADDER 富の階段』だ。
著者は『ジャスト・キープ・バイング』(Amazon)と同じニック・マジューリ。前作が資産を増やす具体的なやり方の本だとすると、今作は「資産レベルに合わせて、どこに力を入れるか」という戦略の本だ。
読んで一番刺さったのは、「資産レベルが違うと、正解も違う」という考え方だった。
6つの資産レベル
本書は、純資産(持っている資産から借金を引いた額)で人を6つのレベルに分ける。レベルが1つ上がるごとに、資産は10倍になる。
| レベル | 純資産 | お金の自由度の目安 | 力を入れること |
|---|---|---|---|
| 1 | 1万ドル(約150万円)未満 | 支出を細かく管理する必要がある | 家計の管理 |
| 2 | 1万〜10万ドル(約150万〜1,500万円) | スーパーで値段を気にせず選べる | 教育とスキル |
| 3 | 10万〜100万ドル(約1,500万〜1億5,000万円) | レストランで値段を気にせず選べる | 投資 |
| 4 | 100万〜1,000万ドル(約1億5,000万〜15億円) | 好きなときに旅行できる | 起業 |
| 5 | 1,000万〜1億ドル(約15億〜150億円) | 資産に大きく響かずに夢の家を買える | 事業の拡大 |
| 6 | 1億ドル(約150億円)以上 | お金で他人の人生に大きな影響を与えられる | 資産を守る |
※円は1ドル=150円で換算した目安です。
大事なのは、今いるレベルに合った行動をすることだ。あるレベルでうまくいくやり方が、別のレベルでも通用するとは限らない。
レベル1〜2:投資のリターンより、稼ぐ力
本書がはっきり言っているのは、資産が少ないうちは、投資のリターンより「収入を増やすこと」と「きちんと貯めること」の方が大事ということだ。
- レベル1——毎月の予算を立てて、支出をコントロールする
- レベル2——教育とスキルに力を入れて、稼ぐ力を上げる
自分なりに数字にすると、こういうことだと思う。100万円を年5%で運用しても、増えるのは年5万円。一方、月5万円多く稼げるようになれば、年60万円だ。資産が少ないうちは、自分自身が一番の投資先になる。
レベル3〜6:投資、起業、事業の拡大へ
資産が増えてくると、力を入れる場所が変わっていく。
- レベル3——投資に力を入れる
- レベル4——起業する
- レベル5——事業を大きくする
- レベル6——築いた資産を守る
本書はアメリカのデータをもとにしているので、NISAのような日本の制度は出てこない。日本で投資を始めるなら、まずNISAの仕組みを知っておくと迷わない。








